あの日は9年前の6月の蒸し暑い日でした。
朝、家族はそれぞれ朝起きて仕事や学校に行く用意をしていました。
朝ご飯を食べながら、たーさんがまだ起きてないと思い、部屋を覗いてみました。
いつもならもう起きてご飯を食べているのに。
「おはよー、…」あれ、いない。トイレかな。
トイレにもいない。
「たーさんいないよ?」家の中を創作するも気配なし。
まさか出て行った?
たーさんはこの頃度々家を出て行こうとしたり、出て行って帰れなくなり家族で
探しに行ったりする事があり、気を付けてはいたのですが・・・
少し前にも、家から歩いて20分ほどのコンビニで電話を借りて母に連絡してきて迎えに行くという
ことがありました。その時はポケットに家族の連絡先を書いたメモが入っていた為、連絡する事が出来たのです。今回も連絡先のメモを持っていたらいいのだけど・・・
とりあえず母が車で探しに行くというので、私は一旦仕事に行きました。
今までも何度も出て行った事はあるものの、すぐに見つけてこれたので今回も近所で見つかるとなんとなく思っていました。
しかし、この日はいつもと違って徒歩ではなく、子供の自転車に乗って行ったのです。
家族が起きる前に出て行ったのでしょう。物音にも気づきませんでした。
そして、たーさんは見つからず、途方に暮れた母は警察に。
長い一日になりました。
たーさんがいなくなった日①

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